ノボキュア社のオプチューンルア®、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療用として 日本で承認を取得
オプチューンルアは、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌と診断された成人患者に対し、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で増悪後のPD-1/PD-L1阻害剤との併用治療として承認された
厚生労働省の承認は第3相ピボタル試験であるLUNAR試験の結果によって裏付けられており、このLUNAR試験では、オプチューンルアによる治療を受けた患者において、全生存期間中央値の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められた
スイス、バール‐2025年9月15日‐ノボキュア社(NASDAQ:NVCR)は、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で増悪が認められた切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療用として、オプチューンルア®とPD-1/PD-L1阻害剤との併用療法が厚生労働省によって承認されたと発表しました。
ノボキュア株式会社代表取締役の小谷秀仁は、次のように述べています。「当社のミッションは、最も悪性度が高い一部のがん患者さんの生存期間を延長することです。厚生労働省によるオプチューンルアの承認は、当社にとって重要な成果です。これにより、この治療が有効となる可能性のある日本の進行転移性NSCLCの患者さんに、腫瘍治療電場療法を提供できるようになります。」
オプチューンルアは、非侵襲の装着可能なアレイを通じて腫瘍治療電場(TTフィールド)と呼ばれる交流電場を発生させる、装着可能な携帯型医療機器です。TTフィールドは、分裂中のがん細胞の帯電成分に物理的な力を加えて細胞を死滅させます。
和泉市立総合医療センターの総長である光冨徹哉 医師は、次のように述べています。「第3相LUNAR試験では、オプチューンルアの使用が、進行NSCLCの患者さんに対して重大な副作用を伴うことなく全生存率を改善し大きな恩恵をもたらすことが示されました。」
オプチューンルアの承認を裏付けるデータ
第3相LUNAR試験は、プラチナ製剤ベースの治療中または治療後に疾患進行が認められた転移性NSCLC患者を対象に、オプチューンルアとPD-1/PD-L1阻害剤またはドセタキセルとの併用療法(試験群)とPD-1/PD-L1阻害剤またはドセタキセルの単独療法(対照群)とを比較する前向き、無作為化、非盲検、多施設共同試験です。
本試験は主要評価項目を達成し、オプチューンルアとPD-1/PD-L1阻害剤またはドセタキセルとの併用療法群(n=145)において、全生存期間(OS)中央値の3.3ヵ月延長(P=0.04)という統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果が示されました。オプチューンルアとPD-1/PD-L1阻害剤またはドセタキセルとの併用療法群のOS中央値は13.2ヵ月(95%信頼区間:10.3~15.5ヵ月)であったのに対し、PD-1/PD-L1阻害剤またはドセタキセル群(n=146)のOS中央値は9.9ヵ月(95%信頼区間:8.2~12.2ヵ月)でした。
LUNAR試験では、統計学的検出力をもつ2つの副次的評価項目が事前に設定されていました。1つ目の副次的評価項目については、オプチューンルアとPD-1/PD-L1阻害剤との併用療法群とPD-1/PD-L1阻害剤の単独療法群とでOS中央値を比較した結果、統計学的有意性が認められました。2つ目の副次的評価項目については、オプチューンルアとドセタキセルとの併用療法をドセタキセルの単独療法と比較した結果、良好な傾向が認められたものの、統計学的有意性は認められませんでした。
オプチューンルアとPD-1/PD-L1阻害剤との併用療法に割り付けられた患者(n=70)のOS中央値は19.0ヵ月(95%信頼区間:10.6~28.2ヵ月)であったのに対し、PD-1/PD-L1阻害剤の単独療法を受けた患者(n=71)のOS中央値は10.8ヵ月(95%信頼区間:8.3~17.6ヵ月)であり、この8.0ヵ月を超えるOS中央値の延長(P=0.02)は統計学的に有意でした。
オプチューンルアとドセタキセルとの併用療法に無作為に割り付けられた患者(n=75)のOS中央値は11.1ヵ月(95%信頼区間:8.2~13.9ヵ月)であったのに対し、ドセタキセルの単独療法を受けた患者(n=75)のOS中央値は8.9ヵ月(95%信頼区間:6.5~11.3ヵ月)でした。この2.2ヵ月のOS中央値の延長には、統計学的に有意な効果は認められなかったものの、良好な傾向が示されました。
機器に関連する有害事象として、患者の63.1%(n=89)にトランスデューサーアレイ下の皮膚障害が発現しました。これらの事象の大部分は低グレード(グレード1~2)であり、治療の中断を要するグレード3の皮膚毒性が発現した患者はわずか4%(n=6)でした。オプチューンルアに関連するグレード4またはグレード5の毒性は認められず、機器に関連する有害事象による死亡もありませんでした。
ベースラインの患者特性はコホート間でよくバランスが取れており、年齢の中央値は65歳(範囲:22~86歳)、男性が66%および女性が34%、患者の96%がECOGパフォーマンスステータス0~1でした。米国の施設に登録された患者の83%(83名中69名)から得られたPD-L1発現データは、4つのコホート間でよくバランスが取れていました。
非小細胞肺がん(NSCLC)
肺がんは世界中のがん関連死亡の中で最も多い死因であり 、NSCLCは肺がん全体の約85%を占めています。日本では、推定で毎年約120,000人がNSCLCと診断されています。
医師は、病期に応じて、手術、放射線および薬物療法をさまざまに組み合わせてNSCLCの治療を行います。手術は一部の患者では根治的治療となる可能性があり、一般的に疾患の早期に行われます。1990年代以降、放射線療法とプラチナ製剤ベースの化学療法剤との併用が、局所進行NSCLCに対する第一選択の標準治療となっています。PD-1阻害剤およびPD-L1阻害剤の両方を含む一部の免疫チェックポイント阻害剤はNSCLCの一次治療薬として承認されており、この疾患における標準治療は急速に進歩し続けています。
第二選択の標準治療も進歩しており、プラチナ製剤ベースの化学療法(一次治療レジメンで免疫チェックポイント阻害剤の投与を受けた患者の場合)、ペメトレキセド、ドセタキセルまたは免疫チェックポイント阻害剤が使用される場合があります。
腫瘍治療電場療法について
腫瘍治療電場(TTフィールド)は、さまざまな機序を介して物理的な力を加えることにより、がん細胞を死滅させる電場です。健康な細胞はがん細胞とは性質(分裂速度、形態および電気的特性など)が異なるため、TTフィールドに大きく影響されることはありません。これらの複数の異なる機序が連動して、がん細胞を標的として死滅させます。このようにTTフィールド療法は複数の機序により作用するため、承認された適応に対するがん治療法に追加することが可能であり、前臨床モデルにおいて化学療法、放射線療法、免疫チェックポイント阻害剤または標的療法と併用した際、あらゆる種類の固形がんに対する効果を高めることが実証されています。TTフィールド療法には臨床的な汎用性があり、治療が困難なさまざまな固形がんの対処に役立つ可能性があります。
TTフィールド療法およびそのがん細胞への多面的な効果の詳細については、tumortreatingfields.comをご覧ください。
ノボキュア社について
ノボキュア社は、革新的な治療法である腫瘍治療電場の開発および商業化を通じて、最も悪性度の高い一部のがん患者の生存期間の延長に取り組んでいる世界的なオンコロジー企業です。ノボキュア社の製品は、膠芽腫、非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫および胸膜中皮腫の成人患者の治療用として、一部の国で承認されています。また、ノボキュア社は、膠芽腫、非小細胞肺がんおよび膵がんの治療に対する腫瘍治療電場療法の使用を検討する、複数の臨床試験を実施中または完了済みです。
ノボキュアのグローバル本社はスイスのバールに位置しており、米国本社はニューハンプシャー州ポーツマスに、研究開発施設はイスラエルのハイファに構えています。会社に関する詳細は、Novocure.comをご覧いただくとともに、LinkedIn、X(Twitter)で@Novocureをフォローしてください。
将来の見通しに関する記述
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