ノボキュア株式会社

最新情報News

ノボキュア社、非小細胞肺がんからの脳転移に対する腫瘍治療電場(TTフィールド)療法に関するMETIS第III相ピボタル試験の最終結果を2025年ASTRO年次総会にて発表

METIS試験は、主要評価項目を達成し、脳転移に対する定位放射線治療後にTTフィールド療法と最善の支持療法を併用した患者において、頭蓋内進行までの期間の統計学的に有意な延長が示された

METIS試験の結果は、International Journal of Radiation Oncology Biology and Physicsに掲載された

スイス、バール‐2025年9月29日‐ノボキュア社(NASDAQ:NVCR)は、9月27日から10月1日にかけてサンフランシスコで開催される2025年米国放射線腫瘍学会(ASTRO)年次総会において、非小細胞肺がん(NSCLC)からの脳転移に対する腫瘍治療電場(TTフィールド)療法に関するMETIS第III相試験の最終結果を本日発表する予定であり、その結果はInternational Journal of Radiation Oncology Biology and Physics(Red Journal)にも掲載されることを発表しました。

ノースウェスタン・メディシン・ウェスト地域、プロトンセンターの放射線腫瘍学ディレクターであり、ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の臨床放射線腫瘍学の准教授であるヴィナイ・ゴンディ医師は次のように述べました。「脳転移を伴う肺がん患者では、全身療法の改善により生存期間が長くなりつつあることから、脳転移をより持続的に管理する、忍容性が良好な治療選択肢に対するアンメットニーズが顕在化するようになってきました。定位放射線治療後に腫瘍治療電場療法を追加することで、生活の質や神経認知機能に悪影響を与えることなく、脳転移の進行を遅らせることを実証したMETIS試験は、新たな治療選択肢を患者さんに提供するという点で、臨床診療に影響を与える大きな一歩となります。」

METIS試験では、定位放射線治療後に非小細胞性肺がんからの脳転移(1~10箇所)が新たに確認された成人患者に対する治療を目的として、TTフィールド療法及び最善の支持療法(BSC)の併用群をBSC単独群と比較しました。本試験は主要評価項目を達成しており、TTフィールド療法とBSCを併用した患者では、BSCのみの患者に比べて、最初の頭蓋内進行までの期間が統計学的に有意に延長することが示されました。

METIS第III相ピボタル試験の結果

METIS第III相ピボタル試験では、NSCLCからの脳転移が1~10箇所ある成人患者298例を組み入れ、脳転移に対する定位放射線治療後に、TTフィールド療法とBSCを併用する患者群(149例)またはBSCのみを受ける患者群(149例)のいずれかに無作為に割り付けました。その際、原発性肺がんの治療を目的とした全身抗がん治療は許可されました。

METIS試験の主要評価項目は、頭蓋内進行までの期間(TTIP)と定義され、定位放射線治療の初回施行日から頭蓋内進行または神経学的死亡のどちらか早い方までの期間としました。

Fine-Gray検定を用いて競合リスクを考慮したところ、TTフィールド療法とBSCを併用した患者では、BSCのみの患者と比較して、頭蓋内進行のリスクが28%低下しました(HR:0.72、p=0.044)。頭蓋内進行までの期間(中央値)は、TTフィールド療法とBSCを併用した患者では15.0ヵ月であったのに対し、BSCのみの患者では7.5ヵ月でした。

両群の頭蓋内進行率については、24ヵ月までの特定の時点で測定しました。2ヵ月の時点で、TTフィールド療法とBSCの併用群では進行率が13.6%であったのに対し、BSC単独群では22.1%でした(p=0.034)。同様に、6ヵ月の時点では、併用群が33.7%であったのに対してBSC単独群では46.4%の進行率が示され(p=0.018)、12ヵ月の時点では46.9%に対して59.4%(p=0.023)、24ヵ月の時点では53.6%に対して65.2%(p=0.031、事後解析)の進行率がそれぞれ示されました。

副次評価項目である神経認知機能障害、全生存期間、脳病変の放射線学的奏効(MRIで判定)について、有意差は認められませんでした。

遠隔頭蓋内進行までの期間(TTDP)については、TTフィールド療法を支持する傾向が示され、TTフィールド療法とBSCの併用群では遠隔進行までの期間中央値が18.6ヵ月であったのに対し、BSC単独群では11.3ヵ月でした(HR:0.76、p=0.165)。

METIS試験の参加期間中に原発性肺がんに対して免疫チェックポイント阻害剤の投与を受けたTTフィールド療法群の患者118名では、TTIPおよびTTDPで認められた有益な効果がより顕著であり、事後解析においてそれぞれHR=0.63、HR=0.41であることが示されました。

TTフィールド療法は、測定されたアウトカム全体において生活の質の悪化を引き起こしませんでした。TTフィールド療法を受けた患者では、悪化を伴わない生存期間の改善が認められ、健康状態全般、身体機能、疲労領域の悪化までの期間の改善が認められました。

TTフィールド療法期間の中央値は16週間、使用率の中央値は67%でした。ベースラインの患者背景及び特性は、試験群間でバランスが取れていました。

TTフィールド療法の安全性プロファイルは、他の臨床試験で示された安全性プロファイルと一致していました。機器に関連する有害事象および皮下組織の事象で最も多かったのは、グレード1/2の皮膚障害でした。

データの発表および掲載の詳細

METIS第III相試験のデータ(LBA03)である、非小細胞性肺がんからの脳転移に対する定位放射線治療後の腫瘍治療電場(TTフィールド:METIS第III相試験の最終結果は、9月29日の午後1時半~3時、モスコーニセンターのサンフランシスコ・ボールルームで開催されるPT総会において、ゴンディ医師により発表される予定です。

International Journal of Radiation Oncology Biology and Physics(Red Journal)に掲載されるMETIS第III相試験に関する発表「非小細胞性肺がんからの脳転移に対する定位放射線治療後の腫瘍治療電場(TTフィールド)療法:METIS第III相試験の最終結果」は、www.redjournal.orgにてオンラインでご利用いただけます。

腫瘍治療電場療法について

腫瘍治療電場(TTフィールド)は、さまざまな機序を介して物理的な力を加えることにより、がん細胞を死滅させる電場です。健康な細胞はがん細胞とは性質(分裂速度、形態および電気的特性など)が異なるため、TTフィールドに大きく影響されることはありません。これらの複数の異なる機序が連動して、がん細胞を標的として死滅させます。このようにTTフィールド療法は複数の機序により作用するため、承認された適応に対するがん治療法に追加することが可能であり、前臨床モデルにおいて化学療法、放射線療法、免疫チェックポイント阻害剤または標的療法と併用した際、あらゆる種類の固形がんに対する効果を高めることが実証されています。TTフィールド療法には臨床的な汎用性があり、治療が困難なさまざまな固形がんの対処に役立つ可能性があります。

TTフィールド療法およびそのがん細胞への多面的な効果の詳細については、tumortreatingfields.comをご覧ください。

ノボキュア社について

ノボキュア社は、革新的な治療法である腫瘍治療電場の開発および商業化を通じて、最も悪性度の高い一部のがん患者の生存期間の延長に取り組んでいる世界的なオンコロジー企業です。ノボキュア社の製品は、膠芽腫、非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫の成人患者の治療用として、一部の国で承認されています。また、ノボキュア社は、膠芽腫、非小細胞肺がんおよび膵がんの治療に対する腫瘍治療電場療法の使用を検討する、複数の臨床試験を実施中または完了済みです。

ノボキュア社のグローバル本社はスイスのバールに、米国本社はニューハンプシャー州ポーツマスに、研究開発施設はイスラエルのハイファにあります。当社の詳細については、Novocure.comをご覧いただくとともに、LinkedInX(Twitter)で@Novocureをフォローしてください。

将来の見通しに関する記述

本プレスリリースには、歴史的事実または現在の状況に関する記述に加え、将来の見通しに関する記述が含まれる場合があります。将来の見通しに関する記述は、将来の出来事に対するノボキュア社の現在の予想または予測を示すものです。これらの記述には、当社の研究プログラムに関して想定される科学的進歩、臨床試験の進捗、製品候補の開発、臨床成績の解釈、規制承認の見込み、製造開発および製造能力、当社製品の市場見込み、保険適用、第三者支払機関からの回収、ならびに歴史的事実ではない事柄に関するその他の記述が含まれます。これらの将来の見通しに関する記述の一部は、記述内に「想定する」「見積もる」「予想する」「見通す」「意図する」「計画する」「信じる」または同様の意味を持つその他の用語が使用されていることで特定できる場合があります。当社の業績および財務成績は、一般的な金融、経済、環境、規制および政治の情勢に加え、当社が直面するその他のより具体的なリスクおよび不確実性(2025年2月27日に米国証券取引委員会に提出したForm 10-Kによる年次報告書およびその後の提出書類に記載されたものなど)から生じる問題により、これらの将来の見通しに関する記述に示された内容とは大きく異なるものとなる可能性があります。これらのリスクおよび不確実性を踏まえると、これらの将来の見通しに関する記述の一部または全部が誤りであることが判明する場合もあります。したがって、これらの要因または将来の見通しに関する記述に依拠すべきではありません。また、法律で義務付けられている場合を除き、当社は将来の見通しに関する記述を公に更新する意図はありません。ここに示す将来の見通しに関する記述は、いずれも記載日時点のものです。この議論は、1995年米国民事証券訴訟改革法により認められています。

この資料のもとになるプレスリリースの公式バージョンは英語です。この資料は、読者の便宜を図る目的でのみ提供されるものです。この資料のもとになるプレスリリースの公式バージョンと照らし合わせて頂くようお願い致します。

投資家お問い合わせ先:
Ingrid Goldberg
investorinfo@novocure.com

メディアお問い合わせ先:
Catherine Falcetti
media@novocure.com

ページ上部へ戻る